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商品名 サラサーテ vol.72 2016年 10月号 せきれい社
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せきれい社
サラサーテ vol.72 2016年 10月号【雑誌】
今月の表紙&Artist Closeupを飾るのは、10代から“天才少女”としてプロ活動を始め、2007年チャイコフスキー国際コンクール・ヴァイオリン部門で第1位となった神尾真由子です。
あれから早9年、同コンクールで一緒だったロシア人のピアニスト、ミロスラフ・クルティシェフと結婚し、昨年母親にもなりました。育児と練習に追われ、日本とロシアを行き来しながらも、10月には夫君との大々的な全国ツアーを行うなど、ますます充実した演奏活動を展開しています。そんな彼女のヴァイオリン哲学とは?
【特集】「ブラームスの交響曲、どれが好き」
ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)の交響曲は、現代のオーケストラコンサートの定番中の定番。
ベートーヴェンの交響曲を乗り越えようと、第1番を完成するまでに20年もの年月を費やし、結果全4曲となりましたが、どの曲も完成度が高い作品になりました。しかも、かなり性格の違う部分もあり、クラシックファンの間で「どれが好き?」という話は一度は出ていることでしょう。“好き”も含めて、さまざまな観点から、あらためてブラームスの交響曲に焦点を当てました。ハンブルク生まれのブラームスがウィーンに来たのは30歳になる直前。以後、63歳で亡くなるまでをウィーンを拠点に暮らし、その墓もウィーンにあります。彼の交響曲の2番と3番はウィーン・フィルが初演しています。ウィーン楽友協会資料館館長であるオットー・ビーバ博士と、元ウィーン・フィルコンサートマスターのワルター・バリリにウィーンとブラームスについて語ってもらいました。わかりやすい楽曲分析で定評のある金子建志には「交響曲の構造と魅力」と題し、ブラームスの全交響曲から、ブラームスならではの変拍子、宗教性など特異点を抽出して解説いただきました。
「マロのブラームス交響曲概論」では、“ミスター・コンサートマスター”である篠崎史紀に、ブラームスのそれぞれの交響曲をどのように捉えているか。あくまで一演奏者としての立場から、独断・偏見何でもOK。大ナタを振るってもらいました。
そのMARO(マロオケ)の面々と、日本フィルハーモニー交響楽団の団員の皆様には、文字通り、「どれが好き?」と、理由、演奏会数なども含めて、ベタにアンケートしてみました。さて集計結果や、いかに?
【特集】「室内楽 with ピアノ」
弦楽器はやはりアンサンブルが基本です。そして、本格的な室内楽ということになれば、パートナーがピアノであることがほとんど。しかし、ずっとひとりでソロ練習を続けてきた人は、どんな技術レベルの人であっても、ピアノと合わせることに最初は戸惑う人が多いようです。そこで、さまざまなレベル別、編成別に、ピアノとアンサンブルをするポイントを、実践的に解説してみました。巻頭対談は、フランスのピアニスト、エリック・ル・サージュと、彼に憧れ、パリ音楽院卒業後にわざわざ別の学校にまで通って彼に室内楽を師事した、チェリストの中木健二。室内楽の楽しさが誌面から溢れ出てくるような対談になりました。
さて、誌上レッスン第1弾の先生は、現代日本のアンサンブルピアニストの紛れも無い第一人者である練木繁夫です。レッスン曲は「ブラームス:ピアノトリオ第1番」。しかも生徒も、本誌ではおなじみの若手の実力者、今さまざまなコンクールで名前の出てくる3人、水野優也(Vc)、吉田南(Vn)、五十嵐薫子(Pf)=仮称“梅トリオ”。優秀なトリオに練木のテンションもすぐにマックス! 熱血教授が実現しました。
続くソナタ編は、モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第28番ホ短調K304。講師はモルゴーアQの一員で東京音楽大学教授も務める荒井英治。彼はピアノが堪能なヴァイオリニストとして知られ、師匠の故江藤俊哉同様、ピアノを弾きながらヴァイオリンソナタのレッスンもするという。調弦や立ち位置に始まり、デュオの基本についてじっくり教えていただきます。
そしてピアニストの視点からご教授をいただこうということで、夫君・小森谷巧とのデュオはもちろん、海外演奏家との共演、ヴァイオリンのマスタークラスでも伴奏を務める機会の多い、小森谷裕子に具体的に話をうかがいました。伴奏者の選び方から、練習前の準備、フレーズ単位で合わせること、意見交換のやり方まで、すぐに応用可能な実践レッスンです。
桐朋学園音楽大学特任教授である辰巳明子には、「子どものための音楽教室」のクラスを取材させていただき、小さいお子さんがまずピアノと合わせる時に必要なポイントをうかがいました。子どもであっても、大人であっても、ピアノと合わせる基本ポイントに大きな違いはありません。伴奏者として半世紀のキャリアを誇る岩崎淑、ソリストとしてもトップピアニストである小山実稚恵にも“室内楽の愉しみ”について、お話をうかがいました。
カラー連載 第4回「ストラディヴァリウスの輝き」
日本音楽財団の協力のもと、同財団の所有するストラディヴァリウスと、その貸与アーティストを取材する連載。4回目に登場するのは、ストラディヴァリウスによるクァルテットセット。わずか6つしか残されていない、そのうちのひとつ“パガニーニ・クァルテット”を日本音楽財団が所有。長らく東京クヮルテットに貸与されていたが、2013年に解散。現在はハーゲン四重奏団に貸与されている。ヴァイオリンのふたりに話をうかがった。
アーティストインタビュー
今月のアーティストインタビューは、まずは近年チェロの教則本を出版したマリオ・ブルネロ(Vc)、11月には関西フィルとハイドンの協奏曲の弾き振りを披露する。ウィーン・フィル史上最初の女性コンサートマスターとなったアルベナ・ダナイローヴァ(Vn)、ブルガリア生まれの彼女がどのようにウィーン・フィルのトップにまで上り詰めたのか。
PMFに初参加したレオニダス・カヴァコス(Vn)は、札幌と東京でゲルギエフ指揮のもと、見事なブラームスの協奏曲を聴かせた。冬からビッグな録音プロジェクトがある。最後は異色、“クラシックロリータバンド”のDie Milch。ヴァイオリンの加わるこんなユニットも今はあるのだ!
音楽祭レポート
夏こそ音楽祭が花盛り!まずはお隣韓国の最大の夏の音楽フェスティバル、「ピョンチャン(平昌)音楽祭&アカデミー」。何とあのチョン・ミョンファ、キョンファ姉妹が芸術監督・ピアニストのソン・ヨルムが副芸術監督。今井信子も参加した音楽祭を現地からカラーレポートする。そして、「第37回霧島国際音楽祭2016」。学生の三分の一が韓国・台湾・中国などアジアからの留学生が占める“国際化”した音楽祭の熱気をお伝えする。
そして本誌では初レポートとなるフィルハーモニーふくい(福井市)の「越のルビー音楽祭2016」。話題は、音楽祭第1部「お話でつづるコンサート」の台本を『羊と鋼の森』で本年度本屋大賞受賞した作家、宮下奈都が担当したこと。音楽はもちろん、朗読、ダンス、照明を駆使した意欲的な舞台作品だった。ちなみに宮下は福井県出身。
最後は、ロサンゼルスから、4年ぶりの「第2回ピアティゴルスキー国際チェロ・フェスティバル2016」。ヨーヨー・マ、トゥルルス・モルク、ダヴィド・ゲリンガス、ジャン=ギアン・ケラスと錚々たるチェリストが勢揃いした豪華な音楽祭になった。
オペラにおけるコンサートマスターの役割とは新国立劇場《ローエングリン》
オペラは、新制作はもちろん再演であっても多大な手間と時間がかかります。
オーケストラを率いるコンサートマスターはその過程で何をするのでしょうか?
5〜6月に新国立劇場で上演されたワーグナー:《ローエングリン》の「オーケストラ練習」、歌手の入る「オーケストラ歌合わせ」、実際のステージで行われる「オーケストラ付き舞台稽古」、そして本番までの約10日間にわたるリハーサルを徹底張り付き取材。
ピットに入った東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスター近藤薫と、指揮者で新国立劇場芸術監督の飯守泰次郎にご協力いただき、オペラにおけるコンサートマスターの役割を探ってみました。
同じ指揮者、コンサートマスターで、10月2日(日)から、新制作上演される新制作ワーグナー:《ニーベルングの指環》第1日《ワルキューレ》の見どころもうかがいました。
好評連載企画
●連載[ニューヨーク・フィル アーカイブを読む]
バーンスタインが恩師のクーセヴィツキーから贈られた、ストラヴィンスキー作曲《春の祭典》の楽譜に触れます。
●柏木真樹の好評連載
柏木真樹が読者モデルからの相談にお答えする「良い演奏のための処方箋」。3回目の相談者はヴァイオリン歴2年半の男性です。「速い曲になるとうまく弾けない」という悩みを解決に導きます。
●「低音ジャーナル」
多彩な活躍を続けるコントラバス奏者、パール・アレキサンダーが登場。コントラバスを始めた経緯から、来日した理由、日本で受けたインスピレーション。そして、そこから発生した現在の活動についてうかがいました。
●好評連載、黒川正三の「チェリストのための基礎講座」
今回のテーマは「ポルタメントを使った表現」。黒川氏編曲によるJ・S・バッハの《アヴェ・マリア》を題材に解説します。
●「長谷川陽子のチェロを始めよう!」
連載続行!前号で最終回を迎えた長谷川陽子さんの人気連載。終了を惜しむ声が編集部に殺到し、急遽続行することになりました。今号からの生徒さんは、チェロ歴5年の大学生。初回のテーマは「朗々と鳴らすには」。題材はJ・S・バッハの《アリオーソ》です。
●TSUKEMEN「俺たちの音楽」の話
第3回目はピアニストのSUGURU。弦楽器とのアンサンブルについて、デビューからこれまでの試行錯誤を綴ります。
●「倶楽部チェロ」
イギリスを拠点に活躍する伊藤悠貴が登場。10月のコンサートでは邦人作品とイギリスの隠れた名曲とを演奏。イギリスと日本との懸け橋になりたいと語る伊藤。演奏家として、音楽家としてのこれまでとこれからを語ります。
●鈴木康浩の「ヴィオラのオーケストラスタディ」
読売日本交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者、鈴木康浩の「ヴィオラのオーケストラスタディ」。第8回は、ブラームスの交響曲第2番です。
●志村寿一の「身体と音楽との調和」
「“個性的な演奏”とは」の2回目。今号では“個性”を生かすために行うべきことに焦点をあてます。
●新シリーズ「音楽大学に聞く」
新シリーズ初回は、東京芸術大学。音楽の道を志す子どもたちに向けて、芸大が行っている新しい取り組みについて、チェリストで河野文昭同大学教授に話を聞きました。
●アマチュアオーケストラを訪ねて
「協奏曲が弾きたい!」という学生たちの熱意で2013年に設立された「医科学コンチェルトオーケストラ」。指揮者の直井大輔、代表の齋藤紘一さん、元代表の北岡寛己さんにお話をうかがいました。
●好評連載・記事
ニューヨーク・フィルのコントラバス奏者・岡本哲史の「コントラバス弾き 紐育通信」は今回が最終回。前進するための“動機”についてつづります。川畠成道の「レガート・コンチェルタンテ」は、暗譜から始める楽曲習得の工夫についてです。
「工房を訪ねて」の第56回。クレモナの名匠マルコ・ノッリを訪ねます。
ヴィオロニステ♪は若手実力派として活躍中の岡本誠司が11月3日に控えたリサイタルについて語ります。
巻末楽譜
今号は、大河ドラマ『真田丸』より メインテーマの弦楽四重奏+コントラバス版(パート譜付)と、ブラームス作曲/「4手のためのワルツ集」作品39より第15番の弦楽トリオ版の2曲です。
JANコード:4910041831067
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